時々お世話になる魚屋さんで頑固一徹なオヤジさん、かっちょいいです市場の魚屋はそれぞれ売り方に特徴がございまして、本当に鮮度の良いもので勝負をするお店、高級魚が自慢のお店、大衆魚を安く売るお店、種類が多いお店などなど様々です。
今日は度々お世話になっている魚屋のお話をしましょう。今朝、そのお店に顔を出すと、「これなら使える」と思えるいい魚がありまして、丁度お手ごろだったので「いくらですか?」とオヤジさんに聞いたのです。その方は前からボクに対しては本当に鮮度の良いものしか奨めないのですが、今日は「それはダメだから、売らないよ」と言う。お店に陳列してあるのに売ってくれません。「でも、いいんです。今日使う用途があるので・・」と言うと「ダメ、やめときナ」と言って黙々と仕事をしています。仕方ないので、周りを見渡すと、とても鮮度のしっかりとした、いかにも新鮮な青森産のソイが並んでいました。さすがにそれは売ってくれましたが、最後に天ぷら用にもってこいのイワシがあったので、「これもくださいよ。天ぷらにするから」と言うと、「ダメ。これは買うな」と言われました。
人を見て商売をしているわけではないと思いますが、要するにボクに対しては良いものを買って欲しいのです。いくら安くしても妥協して鮮度の悪い魚を譲る気はないということです。
この方の商売のやり方、みなさんはどう思いますか?ボクは最高だと思います。自分の扱っている魚に信念を持って商売をしているのがひしひしと伝わります。本来ならば商売なので1円でも多く利益を考えることが道理なのでしょうが、この方はそれだけが最終目的ではありません。
当店では、そういった方が本気で売っている魚を仕入れています。ただ美味しいだけの刺身じゃないんです。魂がこもっているんですよ。
こちらが、頑固オヤジの店から仕入れた青森産のソイです。こちらの1匹姿造りと真鯛とカンパチの盛合わせで1980円で提供中です。安いでしょ・・・